世帯主変更届は14日以内|必要な場合と不要な場合
住民基本台帳法25条の14日。ただし残る世帯員が1人なら届出は要らない
世帯主が亡くなった場合、残った世帯員の中から新しい世帯主を定め、市区町村に届け出る必要があります。住民基本台帳法25条は、世帯主に変更があった場合、変更のあった日から14日以内に届け出なければならないと定めています。ただし、すべてのケースで必要になるわけではありません。残った世帯員が1人だけの場合や、次の世帯主が明らかな場合は届出が不要とされています。まず、自分の世帯が該当するかを確認してください。
届出が不要になる場合
次のような場合は、新しい世帯主が客観的に明らかであるため、届出は不要とされています。
- 残された世帯員が1人だけの場合
- 残された世帯員が、15歳未満の子とその親権者である母(または父)だけの場合
一方、残された世帯員が2人以上いて、そのうち誰が世帯主になるかが一義的に決まらない場合には届出が必要です。たとえば、配偶者と成人した子が残るケースがこれにあたります。
判断に迷う場合は、市区町村の窓口に世帯の構成を伝えて確認してください。届出の要否は世帯の状況によって決まるため、電話でも確認できます。
届出人と必要書類
届出をするのは、新しく世帯主になる方、または同一世帯の世帯員です。代理人による届出も可能ですが、その場合は委任状が必要になります。
窓口に持参するものは、おおむね次のとおりです。
- 世帯主変更届(住民異動届の様式を使う自治体が一般的)
- 届出人の本人確認書類
- 印鑑(自治体により不要)
- 委任状(代理人が届け出る場合)
死亡届を提出した際に、あわせて案内されることが多い手続です。届出先は、住民登録のある市区町村になります。
住民基本台帳法53条2項は、正当な理由がなく届出をしない者に対する過料の定めを置いています。実務上ただちに科されることは多くありませんが、期限内に済ませておくべき手続です。
14日以内の手続をまとめて済ませる
死亡後14日以内という期限がついている手続は、世帯主変更届のほかにもあります。同じ窓口で処理できるものが多いため、まとめて行うと効率的です。
- 国民健康保険の資格喪失届、保険証の返却
- 後期高齢者医療の資格喪失届
- 介護保険の資格喪失届、被保険者証の返却
- 年金の受給停止手続(厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内)
年金の受給停止については年金の受給停止手続きにまとめました。手続の全体像は葬儀後の手続き一覧を参照してください。
窓口に行く際は、死亡診断書のコピー、故人の健康保険証・介護保険証、年金手帳や年金証書、届出人の本人確認書類をまとめて持参すると、複数の手続を一度に進められます。コピーの用意については死亡診断書の受け取り方にまとめています。
変更後に影響するもの
世帯主が変わると、次のものに影響が及びます。
- 国民健康保険料の納付義務者(世帯主が納付義務を負います)
- 各種行政通知の宛名
- 公共料金や各種契約の名義(別途の手続が必要です)
注意したいのは、世帯主変更届は住民票上の世帯主を変更する手続にすぎず、電気・ガス・水道や通信契約の名義まで自動で変わるわけではないという点です。それぞれの事業者への連絡が別に必要になります。
故人名義のサブスクリプションなど、放置すると課金が続く契約もあります。整理の仕方はデジタル遺品とサブスクの解約にまとめました。
相続手続との関係
世帯主変更届は住民基本台帳上の手続であり、相続とは直接の関係がありません。世帯主になったからといって、相続分が増えたり、葬儀費用の負担者になったりするものではありません。
葬儀費用を誰が負担するかについては、法律に明文の定めがなく、裁判例は喪主負担説を中心に分かれています。考え方は葬儀費用は誰が払うのかにまとめています。
まとめ
世帯主が亡くなった場合、住民基本台帳法25条により14日以内の世帯主変更届が必要ですが、残された世帯員が1人だけの場合などは不要です。まず自分の世帯が該当するかを確認してください。
必要な場合は、国民健康保険や介護保険の資格喪失届とあわせて、同じ窓口でまとめて処理するのが効率的です。名義変更が必要な契約は別に手続が要るため、リストにして順に進めてください。
