危篤と言われたらやること|連絡と準備の優先順位
この段階で葬儀社を決める必要はない。搬送だけを先に頼むこともできる
危篤の連絡を受けたときは、まず病院や施設へ向かうこと、そして近い親族に連絡することが優先です。葬儀社を決めたり、費用の相談をしたりするのはその後で構いません。この段階で急いで契約を結ぶ必要はなく、むしろ落ち着いて判断できないまま決めてしまうと、後から見積書の内容に納得できないという事態につながります。やるべきことと、後回しでよいことを分けて考えてください。
最初にすること
到着までの間にできることは限られています。次の順序で動いてください。
- 病院・施設から、面会の可否と場所を確認する
- 近い親族(配偶者、子、親、兄弟姉妹)に連絡する
- 勤務先や学校に、当面の予定を伝える
- 現金、身分証、印鑑、携帯電話の充電器を持って向かう
現金を挙げたのは、この後の場面で必要になることが多いためです。タクシー代、病院での支払い、寝台車の手配など、当面の支出が生じます。
連絡する範囲の考え方
危篤の段階で連絡する範囲は、一般に、三親等以内の親族と、本人が特に会いたいと考えていた人にとどめるとされています。全員に一斉に伝えると、それぞれからの問い合わせに対応する負担が生じます。
連絡の際は、次の内容を簡潔に伝えます。
- 誰が、どこの病院・施設にいるか
- 面会できる状況かどうか
- 連絡した人の名前と電話番号
急ぐ場面のため、電話が基本です。深夜であっても、危篤の連絡は許容されると考えてよいでしょう。
この段階で葬儀社を決めなくてよい
危篤の連絡を受けると、その場で葬儀社を探し始める方がいます。準備の意識としては自然ですが、この時点で契約まで進める必要はありません。
亡くなった後に必要になるのは、まず遺体の搬送です。搬送だけを依頼し、葬儀そのものは改めて検討することもできます。病院で紹介された葬儀社にそのまま任せる必要はなく、断ることも可能です。断り方は病院で紹介された葬儀社の断り方にまとめました。
国民生活センターが2026年6月3日に公表した「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」でも、病院で紹介された葬儀社を利用した事例が相談として取り上げられています。急いで決めた契約ほど、後から内容を確認できていなかったことに気づきやすいものです。
事前に把握しておくと役立つこと
余裕があれば、次の情報を確認しておくと、その後の手続がスムーズになります。
- 本人の希望(葬儀の形式、宗派、菩提寺の有無)
- 加入していた医療保険(国民健康保険、後期高齢者医療、健康保険のいずれか)
- 生命保険の加入状況
- 預貯金の口座、通帳の場所
- 本籍地(死亡届や戸籍の取得で必要になります)
医療保険の種類は、後の葬祭費・埋葬料の申請先を決めます。切り分けは葬祭費と埋葬料の違いを参照してください。
菩提寺の有無は、葬儀の形式や戒名の扱いに影響します。菩提寺がある場合は、危篤の段階で連絡を入れておくと、日程の調整がしやすくなります。
亡くなった後の流れを頭に入れておく
実際に亡くなった後は、医師から死亡診断書を受け取り、遺体を安置場所へ搬送し、死亡届を提出して火葬許可を得る、という流れになります。
死亡届は、戸籍法86条により、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。手続の詳細は死亡届は7日以内に、全体の流れは人が亡くなったら最初にする手続きにまとめています。
死亡診断書は複数枚必要になるため、受け取り方も知っておくと役立ちます。死亡診断書の受け取り方を参照してください。
まとめ
危篤の連絡を受けたときは、病院へ向かうこと、近い親族に連絡することが最優先です。葬儀社の契約を急ぐ必要はなく、まずは搬送だけを依頼して、内容は改めて検討することもできます。
余裕があれば、本人の希望、加入していた医療保険、菩提寺の有無を確認しておくと、その後の手続と費用の見通しが立てやすくなります。契約や費用の判断に迷う場面が出てきたら、契約前の段階で相談してください。
