喪主の挨拶の例文|場面別にそのまま使える文
1分で十分です。紙を見ながら読んで構いません。うまく話す必要はありません
明日、喪主として挨拶をしなければならない。何を話せばよいのか分からない。
安心してください。1分で十分です。そして、紙を見ながら読んで構いません。
うまく話す必要はありません。参列してくれた人へのお礼と、これからのお願い。この2つが伝われば足ります。
基本の型
どの場面でも、構成は同じです。この4つを順に並べるだけで、挨拶になります。
| 部分 | 内容 |
|---|---|
| ① お礼 | 参列してくれたことへの感謝 |
| ② 故人のこと | 生前の厚誼への感謝、簡単な人柄や経緯 |
| ③ 今後のお願い | 遺族への支援のお願い |
| ④ 結び | あらためてのお礼 |
②を長くしすぎないでください。思い出を語り始めると、収まらなくなります。
1つか2つのエピソードで十分です。むしろ、短いほうが伝わります。
③の「今後のお願い」は、忘れられがちですが大切な部分です。遺族への支えをお願いする一文を入れてください。
④は、①のお礼を繰り返す形で構いません。同じ言葉でも、締めとして自然に収まります。
通夜の挨拶
通夜の弔問が一段落したところで、喪主が挨拶をします。
本日はお忙しい中、また足元の悪い中、父〇〇の通夜にご弔問いただき、誠にありがとうございます。
父は〇月〇日、〇〇歳で永眠いたしました。生前は皆さまに大変お世話になり、家族として心より御礼申し上げます。
明日の葬儀・告別式は、〇時より当斎場にて執り行います。お時間の許す方は、ご参列いただければ幸いです。
ささやかではございますが、別室にお食事をご用意しております。故人の思い出などお聞かせいただければと存じます。
本日は誠にありがとうございました。
通夜振る舞いがない場合は、その段落を省いてください。「なお、本日は誠に略儀ながら、これにて失礼いたします」とつなげます。
出棺のときの挨拶
告別式の後、出棺の前に行います。参列者が屋外に並ぶこともあり、簡潔にします。
本日はご多用のところ、母〇〇の葬儀・告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、滞りなく式を終えることができました。母もさぞ喜んでいることと存じます。
母は〇年にわたり〇〇の仕事に携わり、家族を支えてまいりました。晩年は病を得ましたが、最後は家族に見守られ、穏やかに旅立ちました。
残された私どもは未熟ではございますが、力を合わせてまいります。今後とも、故人同様のお付き合いをお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
屋外では声が届きにくくなります。ゆっくり、区切りながら話してください。
参列者が立ったまま聞く場面です。長くならないよう、1分以内を目安にしてください。
寒い時期や雨の日は、さらに短くして構いません。お礼だけでも失礼にはあたりません。
精進落としの挨拶
会食の始めと終わりに、短い挨拶をします。どちらも1分かかりません。
始めるとき
本日は、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。
お時間の許す限り、故人の思い出などお聞かせいただければ幸いです。どうぞお召し上がりください。
締めるとき
本日は、長時間にわたりお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
皆さまのおかげで、無事に父を送ることができました。名残は尽きませんが、この辺りでお開きとさせていただきます。
どうぞお気をつけてお帰りください。本日は誠にありがとうございました。
そのほかの場面の例文
参列者の顔ぶれや、葬儀の形によって、少し言い方を変えると収まりがよくなります。
会社関係の方が多い場合
本日はお忙しい中、夫〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
夫は〇年にわたり〇〇の仕事に携わってまいりました。皆さまに支えていただいたおかげと、家族一同、深く感謝しております。
生前のご厚誼に御礼申し上げますとともに、今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
勤務先での役職や、担当していた仕事に触れると、参列者に伝わりやすくなります。
ただし、詳しく語る必要はありません。1文で足ります。
無宗教で行う場合
本日は、母〇〇を見送るためにお集まりいただき、ありがとうございます。
母は形式ばったことを好まない人でしたので、宗教にとらわれない形でお別れの時間を持たせていただきました。
皆さまとともに、母を送ることができました。今後とも、変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
宗教色のある言葉を避け、「お別れ」「見送る」といった表現を使います。
なぜその形にしたのかを一言添えると、参列者が受け止めやすくなります。
四十九日などの法要のとき
本日はお忙しい中、父〇〇の四十九日法要にお集まりいただき、ありがとうございます。
おかげさまで、滞りなく法要を営むことができました。父も安心していることと思います。
ささやかですが、お食事をご用意しております。お時間の許す限り、ごゆっくりお過ごしください。
法要の挨拶は、葬儀のときよりさらに短くて構いません。30秒ほどで十分です。
挨拶以外に、当日することがあります
喪主の役割は挨拶だけではありません。当日の流れを知っておくと、落ち着いて動けます。
| 場面 | 喪主がすること |
|---|---|
| 開式前 | 宗教者への挨拶、受付の手配の確認 |
| 通夜・葬儀中 | 最初に焼香する、参列者への一礼 |
| 出棺前 | 挨拶、位牌を持つ |
| 火葬場 | 火葬許可証の確認、収骨の立ち会い |
| 会食 | 始めと終わりの挨拶、席を回る |
宗教者への挨拶は、開式前に済ませるのが一般的です。お礼を渡すタイミングも、そのときに確かめてください。
受付は、親族や近しい人に頼むのが通例です。香典を扱うため、信頼できる人にお願いしてください。
会食では、各テーブルを回って一言ずつ声をかける形が多く見られます。長く話す必要はありません。
分からないことは、葬儀社の担当者に聞いてください。当日の進行は、担当者が案内します。
避けたい言葉
慣習として、避けられている言葉があります。気にする人がいるため、置き換えておくと安心です。
| 避ける言葉 | 言い換え |
|---|---|
| 重ね重ね、たびたび、またまた | あらためて、深く |
| 追って、続いて、再び | このあと、次に |
| 生きていたころ | 生前、お元気だったころ |
| 死亡、死ぬ | 永眠、逝去、他界 |
「重ね言葉」は、不幸が重なることを連想させるとされています。うっかり使いやすいので、原稿で確かめてください。
とはいえ、間違えても問題にはなりません。緊張して言い間違えることは、誰にでもあります。
宗教による言い換え
宗派や宗教によって、使わない言葉があります。事前に確かめておくと安心です。
- 浄土真宗では、「冥福を祈る」「霊前」といった表現を使わない
- 神道では、「成仏」「供養」は使わない。「帰幽」「御霊」を使う
- キリスト教では、「冥福」「供養」は使わない。「召天」「昇天」を使う
迷う場合は、「安らかに」「心よりお礼申し上げます」といった、宗教色のない言い方で足ります。
葬儀社の担当者に聞けば、その宗派に合った言い回しを教えてもらえます。
原稿を見てもらうこともできます。事前に渡せば、気になる点を指摘してもらえます。
参列者の中に、宗派の違う方がいることもあります。厳密に合わせられなくても、問題にはなりません。
話せないときは
無理に自分で話す必要はありません。声が出ない、涙が止まらない。よくあることです。
- 親族(配偶者、子、兄弟)が代わって話す
- 短くして、お礼だけ述べる
- 司会者に代読してもらう
「喪主の〇〇に代わりまして、長男の〇〇がご挨拶申し上げます」と始めれば足ります。
途中で言葉に詰まっても、待ってもらえます。参列者は、うまさを求めていません。
家族葬・直葬の場合
参列者が家族と親族だけであれば、形式ばった挨拶は不要です。
一言、「今日は集まってくれてありがとう」と伝えるだけで十分です。座ったままでも構いません。
直葬の場合は、挨拶の場面自体がないこともあります。火葬場で顔を合わせたときに、一言お礼を伝えれば足ります。
後日、参列できなかった方へ手紙を出す場合は、そこでお礼を伝えられます。
家族葬にした理由を、その手紙に一言添えると、後の関係を保ちやすくなります。
「故人の意向により、家族のみで葬儀を執り行いました」という一文で足ります。
喪主の役割と、費用の負担は別です
挨拶をする立場と、費用を負担する立場は、法律上は別のものです。ここは知っておいてください。
根拠となる条文 — 誰が費用を負担するのか
葬儀社への支払い義務は、契約の当事者に生じます。契約は、当事者の一方が申込みをし、相手方が承諾したときに成立します(民法522条1項)。契約書に署名した人が、支払いを求められます。
葬儀費用を最終的に誰が負担するかについて、法律に明文の規定はありません。裁判例では、葬儀を主宰した者が負担するとした例(東京地方裁判所平成19年7月27日判決)と、相続人が分担すべきとした例(名古屋高等裁判所平成24年3月29日判決)があります。
香典は、遺族の負担を軽くするために贈られる贈与と理解されており(民法549条)、葬儀費用に充てることができます。
喪主を務めても、契約者にならなければ請求は行きません。分けて決めることもできます。
負担が難しい場合は、契約の前に伝えてください。署名の後では、選べる形が減ります。
香典の一覧を作っておくと、後の精算がしやすくなります。受付を頼む人に伝えておいてください。
当日までの準備
前日にできる準備を挙げます。10分で済みます。
原稿は、大きめの字で書いてください。手が震えても読めます。
司会者が進行を案内してくれます。合図を確かめておけば、慌てません。
原稿は、家族に一度読んでもらってください。名前や日付の誤りに気づけます。
国民生活センターが2026年6月3日に公表した資料によると、葬儀サービスに関する相談は2025年度に917件で、うち52.6%が料金に関するものでした。挨拶以上に、費用の確認に時間を使ってください。
まとめ
うまく話す必要はありません。伝わればそれで十分です。
- 1分前後、300字程度で足りる
- お礼→故人のこと→今後のお願い→結び、の順に並べる
- 紙を見ながら読んで構わない
話せないときは、親族に代わってもらってください。誰も気にしません。
