火葬許可申請書の書き方|死亡届と一緒に出す書類

死亡届と同時に出します。書くのは故人の情報と、火葬する場所。難しい書類ではありません

死亡届を出すときに、もう1枚書く書類があります。火葬許可申請書です。

これがないと火葬できません。ただ、書く内容は多くありません。故人の情報と、火葬する場所を書くだけです。

多くの場合、葬儀社が代行します。それでも、何を出しているのかを知っておくと安心です。

死亡届から納骨までの書類の流れ
死亡届から納骨までの書類の流れ(作図: 弁護士による葬儀ガード)

なぜ許可が要るのか

火葬は、自由に行えるものではありません。法律で手続きが定められています。

根拠となる条文 — 火葬の許可

埋葬または火葬を行おうとする者は、市町村長の許可を受けなければなりません(墓地、埋葬等に関する法律5条1項)。この許可を受けるための申請が、火葬許可申請です。

市町村長は、死亡届を受理した後でなければ、許可を与えることができないとされています(同法5条2項、8条)。だから、死亡届が先になります。

また、埋葬または火葬は、原則として死亡または死産の時から24時間を経過した後でなければ行ってはならないとされています(同法3条)。

つまり、亡くなった当日に火葬することはできません。最低でも1日は安置することになります。

死亡届が先です

順番があります。火葬許可だけを先に取ることはできません。

死亡届と死亡診断書は、1枚の用紙の左右になっているのが通常です。右が医師の記入欄、左が届出人の記入欄です。

提出先は、亡くなった場所、故人の本籍地、届出人の所在地のいずれかの市区町村です。

死亡届の期限は、死亡の事実を知った日から7日以内です。国外で亡くなった場合は、3か月以内になります。

多くの市区町村では、休日や夜間でも宿直窓口で受け付けています。火葬の日程が迫っている場合は、確かめてください。

ただし、宿直では預かるだけで、許可証の交付は翌開庁日になることがあります。事前に確かめてください。

火葬の予約時間に間に合うかどうかは、葬儀社が調整します。心配な点は伝えておいてください。

申請書に書くこと

内容は多くありません。多くの市区町村で、次のような項目です。

項目書く内容
死亡者の氏名・性別戸籍のとおりに書く
生年月日同上
死亡年月日時死亡診断書のとおりに書く
死亡の場所病院名や住所
本籍・住所戸籍と住民票のとおり
火葬の場所使用する火葬場の名称
申請者の氏名・住所・続柄届出人と同じでよいことが多い

書式は市区町村によって違います。窓口かウェブサイトで入手できます。

火葬場の名称は、葬儀社に確かめてください。予約が取れていないと、書けません。

予約が取れてから提出する流れになるため、日程の確定が先になります。

氏名は、戸籍の字体で書きます。旧字体が使われている場合は、そのとおりに書いてください。

本籍が分からない場合は、住民票の写しを本籍地の記載ありで取れば確かめられます。

死亡の日時は、死亡診断書の記載と一致させてください。ここがずれると受理されません。

誰が申請できるか

死亡届の届出人になれる人が、そのまま申請することが多くあります。

  • 同居の親族
  • 同居していない親族
  • 同居者
  • 家主、地主、家屋管理人、土地管理人
  • 後見人、保佐人、補助人、任意後見人

死亡届の届出義務者は、同居の親族などとされています。順位はありますが、実務では動ける人が届け出ます。

葬儀社が代行することもできます。その場合、届出人の欄には家族の名前が入り、提出だけを代わりに行う形です。

代行を頼む場合も、記入内容は確かめてください。誤りがあると、後の手続きで訂正が必要になります。

印鑑を求められることがあります。認印で足りるのが通常ですが、念のため持って行ってください。

自治体によっては、押印が不要になっています。事前に電話で確かめると確実です。

図で整理: 許可証の受け渡し
図で整理: 許可証の受け渡し(作図: 弁護士による葬儀ガード)

交付された許可証の扱い

火葬許可証は、火葬当日に火葬場へ提出します。忘れると火葬できません。

多くの場合、葬儀社が預かって当日に持参します。誰が持つのかを、事前に確かめてください。

火葬が終わると、火葬済みの証印が押されて返されます。これが埋葬許可証として扱われます。

  • 返された許可証は、骨壺の箱に入れられることが多い
  • 納骨のときに、墓地の管理者へ提出する
  • 提出するまで、なくさないよう保管する

納骨まで時間が空くことがあります。四十九日や一周忌に合わせる家庭も多く、その間の保管が必要です。

骨壺の箱を開けずにしまい込み、納骨の直前に探す例が多くあります。どこにあるかを家族で共有しておいてください。

写真を撮っておくと、記載内容を後から確かめられます。原本は、封筒に入れて保管してください。

散骨や手元供養を選ぶ場合も、証印のある許可証は保管しておいてください。

紛失したときの再交付

なくしても、再交付を受けられます。あわてなくて大丈夫です。

状況手続き
火葬前になくした交付を受けた市区町村で再交付を申請する
火葬後になくした(5年以内)同じ市区町村で再交付を申請する
火葬後、年数が経っている火葬場が発行する火葬証明書を取り、市区町村で再交付を受ける

再交付の手数料は、数百円程度です。本人確認書類と、申請できる立場が分かる書類が必要です。

申請できるのは、届出人や祭祀を承継する人などです。窓口で確かめてください。

古い遺骨を納骨する場合は、火葬場に記録が残っているかを先に確かめてください。

記録の保存期間は、施設によって違います。数十年前のものは、残っていないこともあります。

その場合の扱いは、納骨先の管理者に相談してください。別の方法を示してもらえることがあります。

分骨する場合

複数の場所に納骨する場合は、別の証明書が要ります。忘れやすい手続きです。

根拠となる条文 — 分骨の証明

墓地または納骨堂の管理者は、他の墓地や納骨堂に埋蔵または収蔵されている焼骨の一部を分けるとき、その旨の証明書を交付しなければならないとされています(墓地、埋葬等に関する法律施行規則5条1項)。

火葬場の管理者も、火葬の際に分骨する場合には、同様の証明書を交付します(同条2項)。

この証明書がないと、他の墓地や納骨堂に納めることができません。分骨を予定している場合は、火葬当日に依頼してください。

火葬の当日に分骨する場合は、必要な数の骨壺と証明書を、事前に葬儀社へ伝えてください。

後から分骨する場合は、いま納骨している墓地の管理者に証明書を求めます。手数料がかかります。

墓石を動かす作業も必要になるため、石材店への依頼が要ることがあります。費用は数万円が目安です。

分骨を考えているなら、火葬の当日に済ませるほうが手間も費用も少なくなります。

遺骨は誰が管理するのか

火葬後の遺骨をめぐって、親族の間で意見が割れることがあります。考え方を示しておきます。

根拠となる条文 — 遺骨の帰属

最高裁判所平成元年7月18日判決(家庭裁判月報41巻10号128頁)は、遺骨は慣習に従って祭祀を主宰すべき者に帰属するとしました。

祭祀を主宰すべき者は、被相続人の指定、慣習、家庭裁判所の指定の順で決まります(民法897条1項、2項)。相続とは別の仕組みです。

そのため、相続放棄をした人でも、祭祀を承継し遺骨を管理することができます。

意見が分かれた場合は、まず祭祀を承継する人が誰かを確かめてください。判断の主体が決まります。

決まらない場合は、家庭裁判所に定めてもらう申立てができます。感情の対立が続くより、早く終わることがあります。

申立ては本人でもできます。手数料は収入印紙で数百円から千円程度と、郵便切手です。

火葬場の予約が取れないとき

書類がそろっても、火葬場の空きがなければ火葬できません。都市部では数日待つことがあります。

待つ間、費用は増え続けます。増えるのは、安置料とドライアイスです。

費目1日あたりの目安
安置施設の使用料1万円前後
ドライアイス1万円前後

2日延びれば、それだけで数万円が増えます。日程を決める前に、増額の見込みを聞いてください。

厚生労働省の衛生行政報告例によると、火葬の件数は増加が続いています。待ちが生じる地域があることは、行政資料からも読み取れます。

友引を休場としている火葬場が多く、その翌日は混み合う傾向があります。日程が動かせるなら、この点も考えてください。

複数の火葬場が使える地域では、空いているほうを選べます。搬送の距離と費用も含めて比べてください。

死亡診断書の写しを取っておく

見落とされやすい点です。死亡届に添えて提出すると、原本は手元に残りません。

その後の手続きで、死亡診断書の写しを求められる場面が続きます。先に取っておいてください。

  • 生命保険の請求
  • 勤務先への提出(弔慰金、忌引き)
  • 遺族年金の請求
  • 金融機関の手続き

5枚から10枚程度あると安心です。コンビニのコピーで足ります。

提出した後に必要になった場合は、市区町村で死亡届の記載事項証明書を請求できる場合があります。ただし、請求できる場面が限られます。

病院に再発行を頼むこともできますが、文書料がかかります。1通あたり数千円が目安です。

費用と、他の手続き

火葬に関わる費用も、あわせて確かめておいてください。

公営火葬場では、その自治体の住民は無料または低額のことがあります。区域外の住民は数万円になります。

東京23区などでは民営の火葬場が中心で、金額が高くなりやすい傾向があります。

見積書に火葬料が含まれているかも確かめてください。別立てになっていることがあります。

窓口へ行く際は、他の手続きもまとめて済ませると効率的です。次のものが同じ庁舎で扱われます。

  1. 死亡届と火葬許可申請
  2. 世帯主変更届(14日以内)
  3. 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失と保険証の返却
  4. 介護保険の資格喪失届
  5. 葬祭費の申請(葬儀後)

国民生活センターが2026年6月3日に公表した資料によると、葬儀サービスに関する相談は2025年度に917件で、うち52.6%が料金に関するものでした。手続きと費用は、同時に確かめてください。

火葬許可の申請 — 窓口へ行く前の確認項目
火葬許可の申請 — 窓口へ行く前の確認項目(作図: 弁護士による葬儀ガード)

まとめ

難しい書類ではありません。順番だけ押さえてください。

  • 死亡診断書を受け取り、死亡届と一緒に提出する
  • 火葬許可証は、当日に火葬場へ提出する
  • 証印が押されて返されたら、納骨まで保管する

保管場所は、家族で共有しておいてください。納骨の直前に探すことになりがちです。