家族葬のときの会社への連絡|伝える内容と忌引きの申請

参列を辞退するなら、最初の連絡でそう伝えてください。後から断ると、相手が困ります

家族葬にすることは決めた。ただ、会社にどう伝えればよいのか分からない。

伝える内容は決まっています。続柄、亡くなった日、休む期間、そして参列を辞退するかどうか。この4つです。

大切なのは、最初の連絡で辞退を伝えることです。後から断ると、相手が準備を進めてしまいます。

最初の連絡で伝える4つ
最初の連絡で伝える4つ(作図: 弁護士による葬儀ガード)

誰に、どう伝えるか

まず、直属の上司に電話で伝えます。メールだけで済ませない場面です。

深夜や早朝であれば、朝を待って構いません。始業前に電話をするか、メッセージを残しておきます。

伝える相手手段内容
直属の上司電話続柄、亡くなった日、休む期間
総務・人事電話またはメール忌引きの申請、必要書類の確認
同じ部署の同僚メールまたは口頭引き継ぎ、連絡がつく手段

上司から総務へ話が回ることも多くあります。誰に何を伝えたかを、自分でも把握しておいてください。

伝えた日時と相手を、簡単にメモしておくと安心です。後から確かめる場面が出てきます。

急ぎの仕事がある場合は、その扱いも伝えます。誰に引き継ぐかを決めておくと、休みやすくなります。

引き継ぎの内容は、箇条書きでメールに残してください。口頭だと、抜けが生じます。

連絡がつく時間帯も伝えておくと、相手が気を使わずに済みます。

最初の連絡の文例

短くて構いません。事実と、休む期間を伝えれば足ります。

お疲れさまです。〇〇です。昨夜、父が亡くなりました。

葬儀は〇月〇日に、家族のみで執り行います。

誠に勝手ながら、ご参列やご香典は辞退させていただきたく存じます。

〇日から〇日まで、忌引きをいただければと思います。急ぎの案件は〇〇さんに引き継ぎます。

辞退する場合は、この段階で伝えてください。伝えないと、会社として供花や弔電の手配が始まります。

「家族のみで執り行います」だけでは、参列を控えるべきか判断できない人もいます。はっきり書いてください。

日時や場所を伝えない、という選択もあります。伝えると、参列してよいのか迷わせるためです。

辞退の伝え方

角が立たない言い方があります。理由を添えると、受け入れられやすくなります。

  • 「故人の遺志により、家族のみで執り行います」
  • 「誠に勝手ながら、ご厚志は辞退させていただきます」
  • 「ご参列はご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます」

「ご厚志」は、香典・供花・供物をまとめて指す言い方です。すべてを辞退する場合に使えます。

供花だけは受ける場合は、書き分けてください。「ご香典は辞退いたしますが、ご供花はお受けいたします」といった形です。

会社としての弔慰金は、香典とは別のものです。就業規則に基づいて支給されるため、辞退の対象にはなりません。

同僚が個人で包む香典も、辞退できます。伝えていないと、当日や復帰後に渡されます。

伝え方は、上司から部署内に共有してもらう形が穏当です。自分で全員に伝える必要はありません。

忌引きの日数

日数は、会社の規程で決まっています。法律で定められた休暇ではありません。

続柄日数の目安
配偶者7〜10日
父母5〜7日
5〜7日
兄弟姉妹3日
祖父母3日
配偶者の父母3日
おじ・おば、孫1日

有給か無給かも、規程によります。就業規則を確かめてください。手元になければ、総務に写しを頼めます。

日数は、葬儀の日を含めて数えるのが一般的です。遠方の場合は、移動日が加算されることもあります。

起算日も規程によります。亡くなった日からか、翌日からかで、1日変わります。

土日祝日を含めて数えるかどうかも、確かめてください。会社によって違います。

連続で取れない場合は、分割して取得できるかを確かめてください。会社によって扱いが違います。

図で整理: 連絡から復帰まで
図で整理: 連絡から復帰まで(作図: 弁護士による葬儀ガード)

求められる書類

忌引きの申請では、証明を求められることがあります。何が必要かを、先に聞いてください。

  • 会葬礼状
  • 死亡診断書の写し
  • 葬儀の案内状
  • 火葬許可証の写し
  • 葬儀社が発行する証明書

家族葬で会葬礼状を作らない場合は、葬儀社に証明書を頼めます。「忌引きの申請に使います」と伝えれば発行してもらえます。

死亡診断書の写しは、他の手続きでも使います。提出前に、5枚以上コピーを取っておいてください。

書類が用意できない場合も、事情を説明すれば認められることがあります。まず総務に相談してください。

提出の期限があることもあります。復帰後すぐに出せるよう、休みの間に用意しておいてください。

直葬で会葬礼状も案内状もない場合は、火葬許可証の写しで足りることがあります。

故人の勤務先への連絡

亡くなった方が働いていた場合は、その勤務先にも連絡が必要です。手続きが複数あります。

弔慰金や死亡退職金は、申請しないと支給されません。まず、総務に連絡して確かめてください。

健康保険の埋葬料は5万円です。勤務先を通じて申請するのが通常です。

団体保険は、家族が把握していないことがあります。在職中に亡くなった場合は、必ず問い合わせてください。

未払いの給与や、退職金の扱いも確かめてください。受け取る人と、必要書類を教えてもらえます。

私物の引き取りは、日程を調整して行います。1回で済むよう、事前に確かめておいてください。

弔慰金の税金の扱い

会社から受け取る弔慰金には、非課税として扱われる範囲があります。

根拠となる条文 — 弔慰金と退職手当金

被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金等は、みなし相続財産として相続税の課税対象になります(相続税法3条1項2号)。

相続人が受け取ったものについては、500万円に法定相続人の数を掛けた額までが非課税とされています(同法12条1項6号)。

弔慰金については、国税庁の説明によると、業務上の死亡では死亡時の普通給与の3年分、業務外の死亡では半年分に相当する額までが、相続税の対象とならないものとして扱われます。これを超える部分は、退職手当金等として扱われます。

支給を受けたら、明細を保管してください。名目と金額が分かる書面が必要になります。

相続税の申告をする場合は、税理士にその明細を渡してください。区分によって計算が変わります。

香典として渡された分は、社会通念上相当な範囲であれば課税されないのが通常です。

学校や取引先への連絡

会社以外にも、連絡が必要な先があります。忘れやすい部分をまとめます。

子どもの学校には、忌引きの扱いがあります。担任に連絡し、日数を確かめてください。

連絡先内容
学校・保育園忌引きの日数、提出書類の有無
取引先担当者の不在期間、代わりの窓口
習い事・地域の役休む期間、代役の手配
介護・医療の関係先故人が利用していたサービスの停止

学校の忌引きは、出席停止として扱われるのが一般的です。欠席にはなりません。

取引先には、詳しい事情を伝える必要はありません。「都合により不在にします」で足りることもあります。

自分が窓口になっている仕事がある場合は、代わりの連絡先を明示してください。相手が困りません。

介護保険や医療のサービスを利用していた場合は、停止の連絡が必要です。ケアマネジャーに一報を入れてください。

休みが足りないとき

忌引きだけでは、手続きが終わらないことがあります。日数が足りない場合の選択肢です。

亡くなった後の手続きは、平日の日中にしかできないものが多くあります。役所も金融機関も同じです。

  • 年次有給休暇を組み合わせる
  • 半日休暇や時間単位の休暇を使う
  • 在宅勤務やフレックスを活用する

「あと2日ほど休みたい」と早めに伝えてください。直前より、見通しを伝えるほうが調整しやすくなります。

役所の手続きは、1回の来庁でまとめて済ませられます。事前に電話し、必要書類を確かめてから行ってください。

自治体によっては、亡くなった後の手続きをまとめて案内する窓口があります。予約が必要なこともあります。

無理をして詰め込むと、抜けが生じます。期限の長いものは、落ち着いてからで構いません。

職場からの弔問を受ける場合

辞退していても、上司や同僚が弔問を申し出ることがあります。受けるかどうかは、家族が決められます。

受ける場合は、日時を指定してください。個別に訪ねられると、そのたびに応対することになります。

  • 「四十九日を過ぎたころに、あらためてご連絡します」と伝える
  • 代表の方1名に来ていただく形にする
  • 会社での焼香の機会を設けてもらう

いずれも、断ったからといって失礼にはあたりません。「気持ちだけありがたく受け取ります」で足ります。

受ける場合は、香典をいただくことになります。返礼の準備も必要になる点を見込んでおいてください。

国民生活センターが2026年6月3日に公表した資料によると、葬儀サービスに関する相談は2025年度に917件で、うち52.6%が料金に関するものでした。応対の負担も、費用と同じく先に見込んでおいてください。

復帰したときの対応

出社したら、上司と同僚に一言お礼を伝えます。長い挨拶は不要です。

このたびは、ご配慮いただきありがとうございました。本日から通常どおり業務に戻ります。

香典や弔慰金をいただいた場合は、その旨のお礼も添えてください。

職場から香典をいただいた場合、返礼をするかどうかは慣習によります。部署でまとめていただいた場合は、菓子折りを持参する例が多く見られます。

個人からいただいた分は、香典返しの対象になります。金額と氏名を控えておいてください。

会社名義の香典には、返礼をしないのが通例です。同僚が個人で包んだ香典には、通常どおりお返しをします。

無理をして早く復帰する必要はありません。手続きは、まだしばらく続きます。

相続の手続きは、期限が10か月や3年のものもあります。焦らず、順に進めてください。

体調がすぐれない場合は、その旨を伝えてください。産業医や相談窓口がある職場もあります。

会社への連絡 — 電話をかける前の確認項目
会社への連絡 — 電話をかける前の確認項目(作図: 弁護士による葬儀ガード)

まとめ

伝える順番と内容を決めておけば、迷いません。

  • 直属の上司に電話で、続柄・日程・休む期間を伝える
  • 参列や香典を辞退するなら、最初の連絡で伝える
  • 忌引きの日数と、必要な書類を総務に確かめる

故人の勤務先には、弔慰金と埋葬料の手続きで連絡が必要です。忘れずに確かめてください。