遺族年金の受給要件と手続き|遺族基礎年金と遺族厚生年金
遺族基礎年金と遺族厚生年金で対象者が違う。生計維持の確認も要件になる
遺族年金は、亡くなった方に生計を維持されていた遺族に支給される年金です。大きく分けて、国民年金から支給される遺族基礎年金と、厚生年金保険から支給される遺族厚生年金があります。どちらを受けられるかは、亡くなった方が加入していた制度と、遺族の続柄・年齢によって決まります。要件が細かく、自分が該当するかを判断しにくい制度のため、年金事務所で確認するのが確実です。請求しなければ支給されない点は、他の年金給付と同じです。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金法37条以下に定められています。受けられるのは、亡くなった方に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。
ここでいう子とは、18歳になった年度の3月31日までの間にある子、または20歳未満で障害等級1級もしくは2級の状態にある子で、婚姻していない子を指します。子が要件を外れると、支給は終了します。
亡くなった方についての要件は、国民年金の被保険者であったこと、または老齢基礎年金の受給権者等であったことなどです。あわせて、保険料の納付要件を満たしている必要があります。
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、厚生年金保険法58条以下に定められています。亡くなった方が厚生年金保険の被保険者であった場合や、被保険者期間中の傷病がもとで初診日から5年以内に亡くなった場合、老齢厚生年金の受給権者であった場合などに支給されます。
受けられる遺族の範囲は、遺族基礎年金より広く、次の順位です。
- 配偶者、子
- 父母
- 孫
- 祖父母
先順位の人がいる場合、後順位の人は受けられません。夫、父母、祖父母が受ける場合には、年齢に関する要件があります。
なお、子のない妻については、夫の死亡時の年齢によって支給期間が限られる場合があります。制度の見直しも行われているため、具体的な取扱いは年金事務所で確認してください。
生計維持関係の確認
いずれの年金でも、「亡くなった方に生計を維持されていた」ことが要件になります。実務上は、同一世帯であるかどうかと、遺族自身の収入によって判断されます。
収入については、前年の収入が850万円未満、または所得が655万5,000円未満であることが基準とされています。これを超える場合でも、おおむね5年以内に基準を下回ることが見込まれる事情があれば、認められることがあります。
別居していた場合は、仕送りの記録や健康保険の被扶養者であったことなどで、生計維持の関係を示します。
請求手続
請求先は、次のとおりです。
- 遺族基礎年金のみ ── 市区町村の窓口
- 遺族厚生年金を含む場合 ── 年金事務所または年金相談センター
必要になる書類は、おおむね次のとおりです。
- 年金請求書
- 亡くなった方の年金手帳・年金証書
- 戸籍謄本(続柄と死亡日が確認できるもの)
- 世帯全員の住民票の写し
- 請求者の収入が確認できる書類
- 死亡診断書の写し
- 請求者の受取口座が分かるもの
書類が多いため、年金事務所に事前に電話で予約し、必要書類を確認してから行くと二度手間になりません。
時効と他の給付との関係
遺族年金を受ける権利は、5年を経過したときに時効によって消滅します。ただし、5年を過ぎても、やむを得ない事情がある場合の取扱いが設けられていることがあります。まずは年金事務所に相談してください。
あわせて確認したいのが、次の給付です。
- 未支給年金 ── 亡くなった方が受け取るはずだった分。生計を同じくしていた三親等内の親族が請求できます。未支給年金の請求方法を参照してください。
- 死亡一時金 ── 遺族基礎年金を受けられない場合に、国民年金の第1号被保険者としての納付月数に応じて支給されます。国民年金の死亡一時金にまとめました。
- 寡婦年金 ── 一定の要件を満たす妻に、60歳から65歳までの間支給される制度です。死亡一時金とはいずれか一方の選択になります。
受給停止の手続も忘れずに行ってください。期限は年金の受給停止手続きにまとめています。
まとめ
遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金に分かれ、亡くなった方が加入していた制度と、遺族の続柄・年齢によって受けられる範囲が変わります。生計維持関係の確認も要件です。
要件が細かく、自分が該当するか判断しにくい制度です。請求しなければ支給されず、時効は5年のため、まずは年金事務所に必要書類を確認して請求手続を進めてください。未支給年金や死亡一時金もあわせて確認すると漏れがありません。
