死亡届の書き方|記入欄ごとの注意点と提出の流れ

記入するのは左半分だけです。難しい欄は3つしかありません

死亡診断書を受け取った。左半分が死亡届になっていて、記入しなければならない。

心配はいりません。記入する欄は限られています。難しいのは、本籍、届出人、世帯の主な仕事の3つだけです。

窓口で教えてもらいながら書くこともできます。空欄のまま持って行って構いません。

死亡届の記入欄
死亡届の記入欄(作図: 弁護士による葬儀ガード)

用紙の構成

死亡診断書と死亡届は、1枚の用紙になっています。A3サイズです。

右半分は医師が記入します。死亡の日時、場所、原因などです。こちらが書き換えることはできません。

左半分が死亡届です。ここを遺族が記入します。

提出する前に、必ずコピーを取ってください。提出すると原本は戻りません。保険金の請求や年金の手続きで、後から必要になります。

コピーは10枚ほどあると安心です。コンビニのコピー機でも取れます。A3が使える機種を選んでください。

コピー代は1枚数十円です。後から再発行を頼むと数千円かかります。最初に多めに取るほうが安く済みます。

急いでいる場面では忘れやすい作業です。受け取った時点で、すぐに取っておいてください。

記入する欄

上から順に見ていきます。

書く内容
氏名・生年月日故人の氏名と生年月日
死亡したとき医師の記載と合わせる
死亡したところ医師の記載と合わせる
住所住民票の住所
本籍故人の本籍地と筆頭者
死亡した人の夫または妻配偶者の有無
死亡したときの世帯のおもな仕事選択肢から選ぶ
死亡した人の職業・産業国勢調査の年のみ記入
届出人届出人の資格・住所・本籍・氏名

このうち、迷いやすいのが本籍、世帯のおもな仕事、届出人の3つです。順に説明します。

死亡した日時と場所の欄は、医師の記載と同じ内容を書きます。写し間違えないよう、確かめながら記入してください。

住所は、住民票に記載されている住所です。入院していた病院の住所ではありません。

施設に入居していた場合は、住民票をどこに移していたかで変わります。分からないときは窓口で確かめてください。

本籍が分からないとき

本籍は、住所とは別のものです。分からないことは珍しくありません。

調べる方法があります。

  1. 本籍の記載がある住民票を取得する
  2. 故人の戸籍謄本を見る
  3. 運転免許証(古いものは本籍が記載されている)

住民票は、本籍の記載を求めて請求します。市区町村の窓口やコンビニで取得できます。

筆頭者は、戸籍の最初に記載されている人です。故人自身とは限りません。配偶者が筆頭者のこともあります。

外国籍の方の場合は、国籍を記入します。本籍の欄の扱いが異なるため、窓口で確かめてください。

住民票は、コンビニでも取得できる自治体があります。マイナンバーカードがあれば、窓口に行かずに済みます。

ただし、本籍の記載を求める必要があります。通常の住民票には本籍が記載されていません。

急ぐ場合は、役所の窓口で「本籍記載のもの」と伝えて請求してください。その場で発行されます。

「世帯のおもな仕事」の欄

選択肢から選ぶ形式です。故人本人ではなく、世帯全体の主な仕事を選びます。

  • 農業だけまたは農業とその他の仕事を持っている世帯
  • 自由業・商工業・サービス業等を個人で経営している世帯
  • 企業・個人商店等(官公庁は除く)の常用勤労者世帯で勤め先の従業者数が1人から99人までの世帯
  • 上記以外の常用勤労者世帯および会社団体の役員の世帯
  • 1から4にあてはまらないその他の仕事をしている者のいる世帯
  • 仕事をしている者のいない世帯

高齢で年金生活だった場合は、最後の項目になることが多くあります。

判断に迷ったら、窓口で聞いてください。統計のための欄なので、後の手続きに影響するものではありません。

その下にある「職業・産業」の欄は、国勢調査が行われる年に死亡した場合のみ記入します。

該当しない年であれば、空欄で構いません。用紙にもその旨が書かれています。

分からない欄は空欄のまま持って行って構いません。窓口で教えてもらいながら書けます。

届出人になれる人

誰でも届出人になれるわけではありません。法律で定められています。

根拠となる条文 — 死亡届の届出義務者と期間

死亡の届出は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3か月以内)に、これをしなければならないとされています(戸籍法86条1項)。

届出は、同居の親族、その他の同居者、家主・地主または家屋もしくは土地の管理人の順序で、届出をしなければなりません(同法87条1項)。ただし、順序にかかわらず届出をすることができます。

同居していない親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人および任意後見受任者も、届出をすることができます(同条2項)。

つまり、同居していない子や兄弟も届出人になれます。順序に縛られる必要はありません。

葬儀社の担当者は、届出人になれません。書類を役所へ持参する使者にはなれますが、届出人欄には遺族の氏名を書きます。

届出人欄には、故人との続柄、住所、本籍、氏名、生年月日を記入し、押印または署名します。押印は任意とされています。

届出人自身の本籍も必要です。分からない場合は、本籍の記載がある住民票で調べられます。

続柄は「子」「妻」「夫」「父」「母」「兄」「弟」などと書きます。正確な続柄を記入してください。

後見人が届出をする場合は、登記事項証明書の提示を求められることがあります。事前に確かめてください。

提出先と期限

提出は、死亡の事実を知った日から7日以内です。

提出先は、次のいずれかの市区町村です。

提出先説明
死亡地亡くなった場所の市区町村
故人の本籍地戸籍がある市区町村
届出人の所在地届出人が住んでいる市区町村

多くの場合、死亡地か本籍地に出します。火葬場の場所によっては、死亡地に出すほうが手続きが早く進みます。

24時間受け付けている窓口が多くあります。夜間や休日は、宿直の窓口で受け付けます。

ただし、火葬許可証の交付は、通常の窓口が開いてからになることがあります。急ぐ場合は、事前に電話で確かめてください。

火葬場の予約と、火葬許可証の交付は別の手続きです。予約は火葬場に対して行います。

都市部では、予約が数日先になることがあります。日程は予約状況に左右されます。

書類の手配が遅れると、予約もそのぶん遅れます。早めに提出することに意味があります。

図で整理: 提出から火葬許可証の交付まで
図で整理: 提出から火葬許可証の交付まで(作図: 弁護士による葬儀ガード)

火葬許可証を受け取る

死亡届を提出すると、火葬許可証が交付されます。あわせて、火葬許可申請書の提出が必要です。

根拠となる条文 — 火葬の許可

埋葬または火葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長の許可を受けなければならないとされています(墓地、埋葬等に関する法律5条1項)。

埋葬または火葬は、原則として死亡または死産の後24時間を経過した後でなければ行ってはならないとされています(同法3条)。

墓地または火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵または火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならないとされています(同法13条)。

火葬許可証がないと、火葬場は火葬を行えません。当日に忘れると、進行が止まります。

火葬が済むと、火葬済の証明が押されて返されます。これが納骨の際に必要になる書類です。

骨壺の箱に入れて渡されることが多いので、受け取った時点で確かめてください。紛失すると再発行の手続きが必要になります。

納骨は四十九日に合わせて行うことが多く、それまで手元に保管します。

保管場所は、家族が分かる場所にしてください。時間が経つと、どこにしまったか分からなくなります。

分骨する場合は、分骨証明書が別に必要です。火葬場で交付を受けられるため、当日に申し出てください。

葬儀社に代行してもらう場合

死亡届の提出は、葬儀社が代行することが多くあります。

代行してもらう場合でも、届出人欄は遺族が記入します。署名も遺族が行います。

1つ目を忘れないでください。渡してしまうと、コピーを取る機会がなくなります。

「コピーを取ってから渡します」と伝えれば、待ってもらえます。数分の作業です。

代行してもらった場合、火葬許可証は葬儀社が火葬場へ提出します。手元に残らないこともあります。

火葬後に返却される火葬済証明入りの書類は、必ず受け取ってください。納骨の際に使います。

代行の範囲を、契約の段階で確かめておくと安心です。どこまでやってもらえるかが分かります。

記載に誤りがあった場合

氏名の漢字や生年月日に誤りがあると、後の手続きで問題になります。

提出前に気づいたら、その場で直せます。医師の記載部分に誤りがある場合は、病院に連絡して訂正してもらってください。

提出後に気づいた場合は、役所で訂正の手続きが必要になります。手間がかかるため、提出前の確認が大切です。

確かめるのは3点です。氏名の漢字、生年月日、死亡した日時。この3つがそろっていれば、多くの問題は防げます。

氏名の漢字は、戸籍の表記と一致しているかが基準です。旧字体か新字体かで扱いが変わることがあります。

戸籍謄本が手元にあれば、照らしてみてください。なければ、免許証や保険証の表記でも確かめられます。

提出前の数分の確認で、後の手間が大きく減ります。

その後に続く手続き

死亡届を出した後も、期限のある手続きが続きます。

手続き期限
世帯主変更届14日以内
国民健康保険・介護保険の資格喪失届14日以内
年金の受給停止厚生年金は10日、国民年金は14日以内
相続放棄・限定承認3か月以内
準確定申告4か月以内
相続税の申告10か月以内
葬祭費・埋葬料の申請2年

市区町村の窓口では、複数の手続きをまとめて扱っていることがあります。一度で済ませられるか、事前に電話で確かめてください。

戸籍に死亡が反映されるまでには、1週間から10日ほどかかります。戸籍謄本が必要な手続きは、その後になります。

死亡届 — 提出前の確認項目
死亡届 — 提出前の確認項目(作図: 弁護士による葬儀ガード)

まとめ

死亡届で迷うのは、3つの欄だけです。

  • 本籍は、本籍の記載がある住民票で調べられる
  • 世帯のおもな仕事は、統計のための欄。迷ったら窓口で聞く
  • 届出人には、同居していない親族もなれる

提出する前に、必ずコピーを10枚ほど取ってください。